皮膚科
アトピー性皮膚炎
皮膚炎の診察、問診、今までの経過を確認し、原因と思われる要因を検討します。
治療薬の内容、使い方など説明します。検査の必要な場合は適時説明します。アトピー性皮膚炎では日常生活での過ごし方、食事や睡眠、ストレスなどあらゆる要因が悪化の原因となっている場合が多いため、個人個人でその点を確認、改善することで治療の作用を上げていくようにします。長期にわたる皮膚炎、色素沈着などは漢方薬で改善することもありあきらめてはいけません。最近ではエキシマライトという光線治療器も奏功するケースもあります。現代社会において難治性の病気です。一度あなたのアトピーについてお話ししませんか。
にきび(尋常性ざ瘡)
近年、男性女性を問わず若年層から中高年に至るまで顔面、首、胸、背部など多岐にわたり赤いにきびがみられます。食生活の乱れや睡眠不足、ストレス、胃腸の不具合などから治りにくくなるほか、放置しておくと瘢痕(皮膚の凹み)や色素沈着などいやな“にきび跡”が残ります。特に20代の働き盛りに繰り返すしつこいにきびは近年では増加傾向にあります。当院では女性には新しい外用剤はもちろん漢方療法などを駆使してしつこいにきびの治療をおこなっています。
みずむし(白癬)
日本においても高温、多湿な環境下で高齢者ばかりでなく働く中高年のあいだで“みずむし“は蔓延しています。とくに爪に感染するみずむしは治るのが難しく、生活の質の低下を招きます。当院では外用薬のほか、内服薬も併せて難治性の爪みずむしを治療しています。
巻き爪
靴生活が日常化した日本では足の形と合わない履物による爪の障害が増えています。個人の歩き方にもよるとはおもわれますが、スポーツ人口の増える近年では特に巻き爪をもつ人口が増加しています。痛みのため思うように歩けず、膝や腰の関節を痛める人もいます。自分で勝手に強引な爪切りで処置せず、ぜひ皮膚科を受診してください。巻き爪は初期治療が大切です。
うおのめ、イボ
巻き爪に加え足の疾患として多いのが“うおのめ、タコ、イボと”の御三家です。これも放置しておくと痛みのため歩き辛く、生活の質を下げることになるほか、最後には手術を必要とする結果になることもあります。特にイボは伝染して数が増えることが問題です。
小さいからと放っておかず初期の段階で治療されることをおすすめします。家でできる簡単な削り方や塗り薬などもありますので早めの診察をおねがいします。
乾癬
乾癬の原因は完全には解明されていませんが、免疫系の過剰な活性化によって、皮膚の細胞の生産と脱落が異常に加速されることが関与していると考えられています。遺伝的な要因や環境要因(ストレス、喫煙、感染症など)も乾癬の発症に関連している可能性があります。
乾癬の治療法には、以下のようなものがあります:
トップカルティング剤や軟膏:ステロイド薬やビタミンD誘導体などの局所的な治療薬が使われます。これらは炎症を抑え、皮膚の症状を改善します。
光線療法:紫外線療法(UVB療法やPUVA療法)が使用されます。光線療法は皮膚細胞の生産を抑制し、症状を軽減するのに役立ちます。
経口薬:重症の場合には、免疫抑制薬や免疫調節薬が処方されることがあります。これらの薬は、免疫系の過剰な活性化を抑えることで症状を管理します。
バイオロジクス:特定の免疫分子に作用する薬剤であり、重症の乾癬に対する治療法の一つとして使用されます。
乾癬は慢性的な疾患であり、完全に治癒することは難しい場合がありますが、適切な治療法によって症状の管理や改善が可能です。また、生活習慣の改善やストレス管理などの健康管理も重要です。
蕁麻疹
蕁麻疹(じんましん)は、皮膚の急性の炎症反応によって引き起こされる皮膚疾患の一種です。蕁麻疹は、通常はかゆみを伴う発赤した丘疹や斑点の形で現れます。これらの症状は、皮膚の血管が拡張し、組織に浮腫を引き起こすことによって起こります。
蕁麻疹の主な原因は、アレルギー反応、感染症、ストレス、薬物反応、食品や添加物、昆虫刺傷など多岐にわたります。特定の刺激によって免疫反応が誘発され、結果として皮膚の炎症が引き起こされます。
蕁麻疹の症状は、以下のような特徴があります:
皮膚に赤みや腫れが生じる。
かゆみや灼熱感が発生する。
丘疹や斑点が一定期間で移動し、異なる部位に現れることがある。
一般的に、蕁麻疹は通常数時間から数日で治癒しますが、一部の重症な場合や反復性の場合は、長期間の管理が必要なことがあります。蕁麻疹の治療には、以下のような方法があります:
抗ヒスタミン薬の使用:かゆみや発赤を軽減するために処方されることがあります。
ステロイド薬の使用:重度の症状の場合には、抗炎症作用のあるステロイド薬が処方されることがあります。
トピカルなクールゲルやローションの使用:かゆみを和らげ、皮膚を落ち着かせる効果があります。
アレルギーの原因物質の回避:特定の刺激物を避けることで、症状の再発を防ぎます。
重度の蕁麻疹や持続的な症状がある場合は、皮膚科医に相談することが重要です。
帯状疱疹
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、ヘルペスウイルス(主に帯状疱疹ウイルス)に感染することによって引き起こされる皮膚の病気です。主に体の一部に水疱や発赤、痛みを伴う水疱性の発疹が現れます。帯状疱疹は、通常、水疱瘡(水ぼうそう)を患ったことがある人に発症することがあります。
帯状疱疹は通常、次のような症状と特徴を示します:
皮膚の赤みや痛み:帯状疱疹が発症する部位には、感染部位が赤くなり、痛みや痒みを伴うことがあります。
水疱の発生:赤みの後に、小さな水疱が集まって疱疹が現れます。これらの水疱はしばしば痛みを伴い、触ると痛むことがあります。
皮疹の形成:水疱が破れると、皮膚に潰瘍ができ、そこから液体が漏れることがあります。潰瘍は通常、乾燥し、かさぶたになります。
帯状疱疹は通常、特定の皮膚領域に沿って現れるため、「帯状」と呼ばれます。例えば、胸や腹部、背中、顔、あるいは側頭部などです。症状が一般的に軽度から中等度であり、ほとんどの場合、自然に治癒しますが、時には痛みが長期間続くことがあります。帯状疱疹の治療には、抗ウイルス薬、鎮痛剤、抗炎症薬などが用いられることがあります。帯状疱疹の予防には、水疱瘡ワクチンが推奨されることがあります。
皮膚腫瘍(アテローム・脂肪腫)
アテローム(脂肪腫)は、皮膚や皮下組織にできる良性の腫瘍の一種です。通常は脂肪細胞から発生し、柔らかく、動かせるしこりとして感じられます。一般的には痛みを伴いませんが、大きくなると周囲の圧迫によって圧迫されることがあり、不快感を引き起こすことがあります。
アテロームは通常、皮膚の表面の下に位置し、さまざまな場所に現れることがありますが、特に頭部、首、背中、脇の下、そして脂肪の多い部分に多く見られます。ほとんどの場合、良性であり、がん化することはまれです。
アテロームの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因や脂肪細胞の増殖に関連する因子が関与している可能性があります。また、肥満や高脂血症などの条件がアテロームの発生を促進する可能性もあります。
アテロームの治療法には、通常、以下のようなものが含まれます:
除去手術:アテロームが症状を引き起こす場合や、外観的に不快だと感じる場合には、医師がアテロームを外科的に切除することがあります。手術によって完全に取り除かれることが期待されます。
観察と管理:小さなアテロームで症状がない場合や、治療の必要性がない場合には、医師が定期的に監視し、必要に応じて処置を行うことがあります。
アテロームの除去手術は一般的に安全であり、通常は再発することがありません。ただし、アテロームが大きくなると、近くの組織に圧迫を与える可能性があるため、早期の治療が望ましい場合があります。また、アテロームが症状を引き起こす場合は、自己治療せずに医師に相談することが重要です。
虫刺され(マダニ・ムカデなど)
虫刺されは、昆虫や節足動物によって引き起こされる皮膚の刺激や痛みを指します。代表的な虫刺されとして、マダニやムカデ、蚊、ノミ、アブ、クモなどがあります。虫刺されの症状は、赤み、腫れ、かゆみ、痛みなどがあります。
マダニは、木々や低い植物に潜んでいて、動物や人間に取り付いて血を吸います。マダニに刺された場合、しばしば赤みや腫れ、かゆみが生じ、場合によっては痛みや発熱も起こることがあります。また、マダニによって感染症が広がる可能性もありますので、注意が必要です。
ムカデは、暗くて湿った場所に生息し、家の内外で見つかることがあります。ムカデに刺されると、痛みやかゆみ、腫れが生じることがあります。また、場合によってはアレルギー反応を引き起こすこともあります。
虫刺されの治療には、以下のような方法があります:
症状の緩和:かゆみや痛みを和らげるために、冷却ジェルやアロエベラなどの保湿剤を使用します。
抗ヒスタミン剤:かゆみを抑えるために、抗ヒスタミン剤を内服することがあります。
ステロイド軟膏:炎症を抑えるために、医師が処方したステロイド軟膏を塗布することがあります。
感染予防:虫刺されによって皮膚が破れた場合、清潔に保ち、感染を予防することが重要です。
虫刺されが重篤な症状を引き起こしたり、感染症の疑いがある場合は、医師に相談することが重要です。また、虫刺されを避けるためには、虫除け剤の使用や適切な服装、屋内外での注意が必要です。
やけど
やけどは皮膚や組織が熱や化学物質、電気などの外部の刺激によって損傷を受けた状態を指します。一般的に、やけどは火傷として知られており、熱、火、蒸気、熱い液体、化学物質、電気などが原因となることがあります。
やけどの程度は、軽度から重度までさまざまであり、それに応じて治療方法も異なります。軽度のやけどは、赤みや腫れなどの症状が現れることがありますが、重度のやけどは皮膚の破壊や神経や筋肉の損傷を伴うことがあります。
やけどを治療する際には、まず冷水でやけど部分を冷やすことが重要です。また、医療専門家の指示に従い、適切な処置を行うことが重要です。
やけどの治療には、抗生物質や痛み止めの処方、創傷管理、皮膚移植などが含まれる場合があります。
やけどを予防するためには、火傷を防ぐための注意が必要です。例えば、熱い物や火を取り扱う際には十分に注意し、子供やペットが危険な場所に近づかないようにするなどの予防策があります。
ほくろ除去(保険)
ほくろの除去が保険適用となるかどうかは、そのほくろの性質や状態、および医師の判断に基づきます。一般的に、保険適用のほくろ除去の条件は次のような場合があります:
異常のあるほくろ:異常な形状、色、大きさ、境界、または変化を示すほくろは、皮膚がんの可能性があるため、保険適用となる場合があります。このようなほくろは、早期に発見されて治療されることが重要です。
症状を引き起こすほくろ:ほくろが摩擦や刺激によって痛み、かゆみ、または出血を引き起こし、それが日常生活に支障をきたしている場合、保険適用となる場合があります。
化学的に除去する必要があるほくろ:医師が、ほくろの除去に化学的手段(凍結療法や薬剤の塗布など)を必要とすると判断した場合、保険適用となる可能性があります。
ただし、美容目的でのほくろ除去は一般的に保険適用とはなりません。(美容目的のほくろ除去についてはこちら)美容上の理由での除去は、自己負担となることが多いです。保険が適用されるかどうかを確認するためには、医師や保険会社と相談し、詳細な説明を受けることが重要です。また、除去手術前に必要な書類や診断の提出が必要な場合もあります。